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 世界の針葉樹林の半分以上が存在するシベリアのタイガ(グレートフォレスト)は、気候変動を緩和させる巨大な炭素吸収源としてはもちろん、その世界的に重要な生物多様性の面でも極めて重要である。また、たくさんの世界最後の未開の森林地帯、広大な原生林と原生自然地の生態系が存在している。しかし、深刻な経済危機と国際市場経済の新しいルールの下、シベリアおよび極東ロシアの各地方政府は、短期的な外貨収入を得るために、環境面の配慮なしに天然資源の大規模な開発と輸出を行っている。新しい木材伐採プロジェクトは、採鉱と原油、天然ガスプロジェクト及びそれに伴う道路、港、鉄道のインフラの建設とともに、ロシアの世界的に重要な森林を分断し、破壊している。

 同時に、こうした脅威に対抗する動きも出てきている。ソビエト連邦の崩壊以降、草の根の環境団体が発展し、林産物に関わる贈収賄や違法貿易に対する活動を行ってきた。有力な草の根アドボカシーグループは、地方政府当局と連携し、豊かな生物多様性を保持する数百万haの原生自然地と森林を保護する活動を行っている。

 一方で、中国政府による中国国内の天然林を保護する命令は、シベリアと極東ロシアにある中国との国境近くの森林の伐採増加を招いている。シベリアと極東ロシアの森林もまた、永久凍土層、急斜面、河岸の緩衝地帯(河川及び湖の傍)での不適切な伐採事業や、伐採地又は人々の不適切なレクリエーションによって発生する森林火災に脅かされている。例えば、NGOは、世界最深の湖であるバイカル湖沿岸部の緩衝地帯内で行われているブリヤート共和国の伐採事業や、沿海州で残り物の伐採権を得るために伐採者が故意に起こしている森林火災について非常に憂慮している。

 また、パプアニューギニアとマレーシアのサラワク州における伐採事業で悪名高いリンバナウヒジャウというマレーシアの木材会社に48年間リースされているハバロフスク地方の30万5千haの森林も非常に懸念されている。いくつかのNGOは、リンバナウヒジャウ社のような多国籍企業に対して現存するロシアの規制を遵守させ、理想的には森林管理協議会(FSC)の認証を受けることを求めることが重要であると考えている。こうした懸念がハバロフスクの政府内であがってきているが、リンバナウヒジャウ社による破壊的伐採活動の可能性を妨ぐためには、より多くの市民が働きかけを行う必要がある。

 このような伐採は、シベリアと極東ロシアの地方経済や地域社会に利益をもたらしてはいない。パシフィックエンバイロメントとサハリンエンバイロメントウオッチが1999年に行った共同調査では、伐採労働者は1m3の伐採当たりたった10セント(約12円)、トラックの運転手は1m3で25セント(約30円)しか受け取っていないことが明らかになった。木材そのものは、港において1m3当り70〜100ドル(約8,400〜12,000円)で売られる。企業家はしばしばその利益を地域社会に再投資するのでなく、ロシア国外に送っており、ロシアの資本流出の一因となっている。伐採労働者は他に仕事を得る機会がないため、こうした少ない賃金で働き続けている。

日本の団体の関連ホームページ:

地球の友ジャパン「シベリアの問題」