木材貿易と森林

メニュー

ホーム

世界の国別森林問題

日本の木材貿易と林業

林産物貿易自由化交渉

日米NGO共同活動

資料室

リンク

パプアニューギニア

 パプアニューギニアは、その自然の美しさと多様な文化を誇ることができる、おそらく世界でも数少ない国の一つである。また、原生熱帯雨林、サンゴ礁や水晶のように澄み切った天然河川がある世界で数少ない国の一つである。パプアニューギニアは多様な生物が生息していることで名高い。2万種の植物、190種の哺乳類、750種の鳥類、20万〜40万種の昆虫類など、世界の生物種の5%までがパプアニューギニアに生息していると推定されている。この生物の多様性を最も脅かしているのは、森林の消失である。

 国土の総面積のおよそ60%(1996年に266,050km2)は森林である。パプアニューギニアの国土の97%以上及び森林地帯の99%以上は、慣習的土地制度(憲法で保障されている先祖から譲り渡されてきた土地制度)により所有されている。1975年から1996年の間に10.3%の森林が消失または劣化した。森林劣化の最大の原因は伐採である。その他、換金作物のための農業や移動耕作(焼畑)が森林消失及び劣化を引き起こしている。

 パプアニューギニアでは、天然林を皆伐して、跡地に早成の外来商業樹種を植林する事業が行われてきた。旧本州製紙(現王子製紙)が出資したJant社によるマダン地方で行われていた事業は、その一つの例である。何よりもまず、政府が皆伐を認めたため、Jant社は日本の製紙会社に木材チップを供給するために、大きさあるいは種類に関わらず、「木」とされたものは何でも伐採することが可能になった。また、通常の零細農業では回復できないほどに土壌が圧縮されたため、森林の生態系を再生・回復する母なる自然の能力は完全に破壊された。伐採が行われたゴゴール・ナル地区の地域社会や個人はひどく混乱させられ、開発が行われる前よりももっと貧しくなった。そこは、かつて美しい熱帯雨林で、人々は植物採取や狩りを行い、幸せな笑顔があった。

 1980年代後半には、農民に雇用機会をもたらす口実として、多国籍企業に大規模な伐採認可が与えられるようになり、アジアの巨大な伐採企業が参入した。現在、マレーシアの企業がパプアニューギニアの伐採事業を支配している。最も大きな企業はリンブナン・ヒジャウ社で、木材輸出の50%以上を支配していると推定される。

 パプアニューギニアの林業経済の主力は伐採と原木の輸出である。原木は林産物の全輸出額の約97%を占めている。残りのほとんどは木材チップで、製材の輸出量は非常に少ない。1998年には合計でおよそ107万m3の木材が輸出され、その額は1億5,420万キナ(約54億円)であった。日本はパプアニューギニアから輸出される木材の半分以上を輸入しており、韓国がそれに次いでいる。

 1999年11月、首相兼財務相のサー・メケレ・モラウタは、広範囲に及ぶ林産業の改革計画を発表し、全ての新規伐採権の発行を一時停止することと、伐採事業が持続可能でない方法で行われていないかなどを確認するために、現在発行されている全ての認可の検査を行うことを発表した。しかし、計画されていた改革が行われていないにもかかわらず、新規伐採権発行の一時停止は2002年1月に解除されている。

出典:Adelbert Gandai, Conservation Melanesia