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日本の木材貿易と林業

世界最大の木材輸入国

 世界最大の木材輸入国である日本は、アメリカ、カナダ、ロシア、マレーシア、インドネシア、オーストラリア、チリ、パプアニューギニアなど、太平洋沿岸各国から大量の木材を輸入し、それぞれの森林生態系に多大な影響を与えている。マレーシアやロシアから輸出される丸太、インドネシアから輸出される合板、チリから輸出される製材のそれぞれ約3分の1が日本向けである。木材チップについては、オーストラリア、アメリカ、チリから輸出される量のほとんどすべてが日本に向けられている。

 海外では、日本企業はその破壊的な伐採方法や地域住民の資源に対する権利を侵害していることで知られている。一例として、大昭和製紙は1990年に、カナダ・アルバータ州において、先住民ルビコンの土地権を無視し、その領地の森林を皆伐した。

 日本のいくつもの保護団体は、何年にもわたって東南アジアの伐採を減らすためのキャンペーンを行い、自治体の公共工事における熱帯木材の消費を削減するよう働きかけてきた。しかし、日本は現在も熱帯林のみならず、世界の温帯林の減少に貢献し続けている。

衰退する国内の林業

 日本の森林は国土の66%を占め、世界でも有数の森林国である。しかし、1960年に木材の輸入を自由化して以降、当時86.7%だった日本の木材自給率は一貫して減少を続け、1999年には19.2%にまで減少した。これは、環境コストなどを無視した安い外材に国内の林業が太刀打ちできなくなったためである。この間に、国内の木材生産量は約3分の1、林業就業者数は約6分の1に減少した。こうした状況から新規就業者も大きく減少しているため、1999年現在の林業就業者に占める65歳以上の割合は29%に達している。

 日本では、戦後、拡大する木材需要を満たすために、スギやヒノキなどの針葉樹の大規模な植林が行われた。現在は、森林面積の約40%が人工林で占められている。人工林は、下草刈り、除伐、間伐、枝打ちなどの手入れが必要である。しかし、国産材の需要が低迷し、間伐が行われていないために、成長していない細い樹木が密なままで放置され、森林内に日光が入らないために下草が生えず、表土が流出した状態になっている。こうした状況は、木材資源の有効利用ができないばかりでなく、大雨による土砂崩れなどの風災害、病害虫に弱い山林を生み出している。また、国内林業の崩壊は、伐採後の再造林が行われずに放置されるという事態をも招いている。

 現在、日本国内の森林の年間成長量は人工林を中心に約7000万m3に達しているが、木材生産量は1900万m3と、成長量の3分の1にも満たない。世界的に適切な林業と木材の価格付けが行われ、国内林業が復興されることにより、日本の木材需要による海外森林への影響を大きく減少させることが可能である。しかしながら、現在の国際的な貿易に関する交渉は、こうした日本の進むべき道とは異なる方向に向かっている。