2000年7月
私たちは、世界の森林の状況に、大きな関心を寄せている市民及びNGOです。
G8各国は、1998年に、「森林に関する行動計画」を実施することを決定し、今回の2000年の九州・沖縄サミットでは、この森林に関する行動プログラムの実施進捗状況報告が明らかにされましたが、世界の森林の劣化・減少を食い止めるには、全く不十分な状況です。そして、私たちは、4月に滋賀で行なわれたG8環境大臣会合に対して「G8環境大臣会合に対する森林に関心を寄せる市民・NGOアピール」として、私たちの危惧を示しましたが、それらの危惧は、取り上げられませんでした。
よって、私たちは、改めて、G8各国が次の行動を行なうことを要請します。
1.G8各国は、G8各国の企業によって環境的、社会的に害をもたらす形で経営された区域から採取された林産物や、木材の違法な商業伐採や不正取引を監視し、これを阻止すること。加えて、G8各国を違法に商業伐採された林産物の市場にしないための具体的なあらゆる措置を講じ、また、生産国の違法な商業伐採をなくすための協力を緊急に実施すること。
2.G8各国は、国際熱帯木材協定の2000年目標である「熱帯木材貿易の対象を持続可能な森林経営に基づき生産された木材のみとする」という文言を守るべきである。国際熱帯木材機関の90年第9回理事会で、これを採択し、10年が経過したが、先の第28回理事会では、この2000年目標が達成されていないことが認められた。92年のリオサミットでは、持続可能な森林経営が述べられ、98年のバーミンガムサミットでの「森林に関する行動計画」では、違法な商業伐採について、即刻、実施すべき5つのポイントが指摘され、実施進捗状況報告が行なわれているが、世界の森林の劣化・減少を食い止めるには、全く不十分な状況である。
3.G8各国企業による国外での国際的商業活動をチェックし、規制するようなシステムを確立すること。原生林などでの違法な商業伐採、持続不可能な林業への援助を止め、森林破壊に資金を拠出しないこと。とりわけ、これらの企業や金融機関が、社会・環境上の持続可能性を脅かすような形で操業することが許されるべきではない。
このためには、透明性と市民参加を確保した形での環境社会ガイドラインを作成することが、その最初のステップとなる。
4.WTO(世界貿易機関)での貿易・投資自由化の交渉を一旦中止することを要請し、WTOの意思決定プロセスの民主性と透明性を確保することを最優先すること、及び、十分な透明性と市民参加との下でこれまでの貿易・投資自由化の見直しや環境社会影響評価を実施することをWTOに関する議論において要請すること。
とりわけ、先住民や南の人々に特別の配慮を伴った上で、環境、社会の価値や持続可能性を維持し、あるいは回復するため、関税措置及び非関税措置を含めた貿易に関連する政策および措置を利用する国家、自治体、市民としての権利をWTOが認めることを確実にすること。これらの政策及び措置政策に対しては、環境等への影響を未然に防ごうとする「予防原則」が尊重され、適用されるべきである。また、多国間環境協定は、WTO協定に優先することを確認すること。
5.この4月、G8環境大臣会合で、クリーン開発メカニズム(CDM)や共同実施の促進がうたわれたが、これでは、気候変動に立ち向かえない。温室効果ガスの排出削減においては京都議定書3条3項、4項を利用することや、他のメカニズムによって、各国の負担を他の国々に不当に移転することで、義務逃れをしようということを止めること。
特に、森林破壊をさらに悪化させる商業利用を主目的とした大規模植林プロジェクトは、共同実施、クリーン開発メカニズムや炭素クレジットの国際取引のような措置の対象から除外すべきである。
以上
© 1999-2004 熱帯林行動ネットワーク(JATAN)