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熱帯林行動ネットワークは、2020年度よりインドネシアのボルネオ島(カリマンタン)において、現地カウンターパートであるオランウータン保護センター(Centre for Orangutan Protection、以下COP)と連携し、オランウータンの森を保全していくための植樹活動を行っています。

行き場を失う野生のオランウータン

オランウータンは、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に指定されていますが、インドネシアで急速に拡大しているパーム油を生産するためのプランテーション開発により森林が失われることで、その個体数を急速に減らしています。ある研究によれば、2000年の時点でオランウータンの生息地となる森林の面積の約80%が失われたと推定されていますが、近年でも毎年約50万ヘクタール(東京都の面積の約2倍)の森林がプランテーションへの転換のために減少しているとされています。

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インドネシア国内にはCOPを含め、オランウータンの保護に取り組む団体がいくつかありますが、住処となる森林から追いやられて行き場を失った個体がリハビリセンターに救助される一方で、野生復帰をさせるための森林は減少の一途を辿っており、現地での活動は対症療法にとどまるというジレンマを抱えています。

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本プロジェクトの現地カウンターパートであるCOPは、ボルネオ島の東部を拠点にオランウータンの保護や救助に取り組んでおり、現在リハビリセンターには20頭ほどが保護されています。リハビリセンター周辺のラバナン演習林は豊かな二次林に覆われていることから、将来的にはオランウータンを野生復帰させる場所とすることが計画されています。もともとは2012年まで国営企業による伐採事業(択伐)用地でしたが、その後政府により研究や教育など特別な目的を持つ演習林として指定され、オランウータンの保護を目的とした長期リースの契約をCOPと締結しました。しかし、森林火災や周辺住民との土地の権利をめぐる軋轢が顕在化しており、2020年には169ヘクタールの森林が伐採や火災などにより荒廃してしまいました。この地域を管轄する地方政府により植生回復などの措置は講じられているものの、周辺住民との長期的な関係の構築を視野に入れたものではなく、問題の抜本的な解決となっていないのが現状です。

赤線で囲まれた地域がラバナン演習林、そのうち緑色の地域が荒廃した森林を示している。

オランウータン保護活動の基盤となる植林活動

ラバナン演習林において荒廃した地域での植樹活動を行うことで、長期的にはオランウータン保護活動の基盤を強化していくことを目的としています。また植樹活動を通じて、対象地域における生態系の保全だけでなく、将来的にはリハビリセンターに保護されているオランウータンのための餌として周辺住民から果物を買い取ることで、周辺住民の持続可能な経済支援を両立させることも目指しています。

準備段階として、まずは7月に植樹活動の基盤となる苗床および撒水用タンク(雨水を貯めるためのもの)を設置しました。また、クスノキ(camphor)やメランティ(shorea)、ドリアン(durian)といった在来種および果樹の苗200本を購入しました。

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当初は、2020年11月に植樹活動を実施する予定でしたが、新型コロナウィルスの蔓延の影響で、プロジェクトの対象地において行動制限の措置がとられたため、予定していたスケジュール通りに植林活動を実施できませんでした。この間に7月に購入した苗の育成に加えて、将来的にさらに多くの苗を育てることができるよう苗床を拡張しました。また、この地域を管轄する政府機関であるフタバガキ森林生態系研究・開発機関(B2P2EHD)の協力を得て、植樹活動を円滑に実施するために周辺コミュニティとのパートナーシップを締結しました。

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植樹活動の開始前には、アボカド(avocado)、ランサ(lansium parasiticum)、マトア(matoa)、ドリアン(durian)、ジャックフルーツ(nangka)、コパラミツ(cempedak)、マレーリンゴ(jambu bol)、ランブータン(rambutan)、ネジレフサマメノキ(petai)、ジリンマメ(jengkol)、メランティ(Meranti)、龍脳樹(Kapur)、沈香(Gaharu)、パンノキ(Sukun)、ボルネオテツボク(Ulin)といった16種類の在来種および果樹の苗2,110本を追加的に購入しました。また、協力関係にある周辺コミュニティ(およそ20世帯)に訪問し、植樹に関する技術マニュアルやプロセスを確認し、それぞれの参加者の担当地域の決定など準備に向けたディスカッションを行いました。

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12月に行動制限が解除された後に、本格的な植樹活動を開始しました。この地域を管轄する政府関係者に加え周辺コミュニティから20世帯が集まり、マスクの着用やソーシャルディスタンスの確保など、十分な感染予防対策のもとで植樹活動の開始を記念した植樹祭(オープニングセレモニー)が開かれました。その後、それぞれの参加者が100本以上の苗を持ち帰り、それぞれの土地で植樹を行いました。

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2021年1月には、二度目の植樹に向けてさらに果樹の苗195本や除草剤等の備品を追加で購入しました。これらの果樹には、ランブータン(rambutan)、ドリアン(durian)、ランサ(langsat)、リュウガン(longan)が含まれています。二度目の植樹は2021年1月末に実施されました。政府関係者に加え、周辺コミュニティからは18世帯の参加があり、それぞれの参加者が10本以上の苗と除草剤を持ち帰り、それぞれの土地で植樹および整地活動を行いました。

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コロナ禍により、ロックダウンなどの厳しい感染防止対策がとられた影響で活動に大幅な遅れが生じたものの、政府関係者や周辺住民たちの協力を得て、現在までにプロジェクト対象地全体で20ヶ所(面積にして約20ヘクタール)での植樹が行われました。今後も引き続き、植樹活動を続けていくとともに、周辺住民とのコミュニケーションを継続しつつ樹木の管理・補修などを行っていく計画です。

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